アスペルガー症候群の人に悩まされた日々。

 色々なアルバイトをしてきた私だけれど、あるバイト先で、そこは受付事務だったけれど、岩滝さん(仮名)という人に遭遇した。それは、塾の受付事務の仕事だったけれど、わたしは、新人のバイトとして、そして彼女はパートとして同じころに入社した。

 わたしたちは、小さな教室に配属され、ベテランの事務員さんが辞めるとのことだったので、慣れるまでしばらく、教室応援の先輩が通ってきていた。岩滝さんは、まず、辞める直前のベテラン事務員さんを、すごくいらいらさせていた。そして、次に、教室応援の先輩を怒らせていた。どうも、コミュニケーションが下手なように私には見え、少々怒られても、聞き流せばいいことをつっかかって、怒らせるという印象だった。また、仕事を覚えるのが、ものすごく、遅く、(というか覚えられない?)、何回言われても、できずにいた。また、一つの仕事にとりかかると、周りがまったく見えなくなり、受付事務の仕事なのに、お客さんが来ても、反応できないでいた。また、塾なので、先生のサポート事務もしなければならないが、その辺に関しては、ほぼ無能だった。

 最初は、怒られてばかりいる彼女を可哀そうに思ったが、仕事ができずにいる彼女のフォローばかりを強いられるだけでなく、想像力に欠けるというか、相手の気持ちを考えずにいう物言いに、段々腹が立ち始めた。

 わたしは、今は、アスペルガー症候群というものがあることを理解して、彼女がそれだったと思うし、それには、相応の接し方をしなければならなかったのかと思うが、だけれども、やっぱり、同じ給料で雇われているのは納得がいかなかった。ちなみに、当時も、上司が切れながら、アスペルガーと叫んでいたので、それであると、知っていたが、腹が立ちすぎて理解しようという気まではおきなかった。

 もちろん、わたしは、岩滝さんを不憫な人だとは思うけれど。

 同じアスペルガーでも、自分の病気を理解してがんばっている人もいるから、一概にいっちゃいけないとも思う。

 でも、人には、適職というのがあるとも思う。

 岩滝さんは、その職場では、後に教室から他の部署に3回ほど移動させられたのは、知ってるけれど、その職場で、まだ頑張っているのかは、知らない。

 岩滝さんと働くことは、ストレスでしかなかったけれど、後に私は、ASDADHDについて、少しだけ本を読んで知れた。また、そういう人に出会ったとき、避けられなかったときは、接し方の本でも読んでみようと思う。そういう一つの勉強になった出来事だった。